債務整理|出資法違反のヤミ金の摘発

平穏
生活
一環

主文

被告人を懲役7年及び罰金3000万円に処する。
未決勾留日数中270日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは,金5万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

「借金返済・債務整理ドットコム」債務整理のスペシャリストに借金問題を依頼

事業の失敗など、借金を全額返済出来ない状況になったら債務整理をするしかありません。
債務整理とは多額の借金を負ったとき、多重債務に陥ったときに、債務者の再生させるいくつかの方法のことを言います。
最も有名なやり方は自己破産です。
一般の方は自己破産のイメージのみあるため、債務整理に二の足を踏みがちです。
住宅ローン特則(「住宅資金貸付債権に関する特則」)という手続きを利用して個人再生をすればマイホームを失わずに借金を整理出来る場合があります。
自分が債務整理をする場合、実績が多数ある弁護士・司法書士を探しましょう。
債務整理をして借金返済を完了するなら「借金返済・債務整理ドットコム」。(http://hensai-soudan.jp/)
自己破産・個人再生以外にも任意整理・特定調停といった方法がありますので、個別に弁護士や司法書士に相談してみて下さい。

理由

(罪となるべき事実)
 被告人は,
第1 別紙24−1貸金業店舗一覧表1及び別紙24−2貸金業店舗一覧表2記載の各貸金業店を統括し,貸金業を営んでいた者であるが,
 1[平成15年8月29日起訴・同年特(わ)第5211号]
   A1,A2,A3及びA4と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙1貸付関係一覧表1記載のとおり,平成14年4月8日から同年12月16日までの間,前後49回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号11記載の「B1」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C1銀行D1支店ほか2か所に開設された上記A4名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E1ほか5名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計2万5512円を122万4488円超える合計125万円の利息を受領し
 2[平成15年9月18日起訴・同年特(わ)第5539号]
   A1,A2,A3及びA5と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙2貸付関係一覧表2記載のとおり,平成13年10月16日から平成14年11月25日までの間,前後61回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号1記載の「B2」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C2銀行D2支店(現C3銀行D2支店)ほか2か所に開設された上記A5名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E1ほか1名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計3万3360円を184万9640円超える合計188万3000円の利息を受領し
 3[平成15年10月20日起訴・同年特(わ)第6197号]
   A1,A2,A3及びA6と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙3貸付関係一覧表3記載のとおり,平成14年8月2日から同年12月11日までの間,前後30回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号8記載の「B3」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C4銀行D3支店ほか4か所に開設された上記A6名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E2ほか4名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万2288円を100万0712円超える合計101万3000円の利息を受領し
 4[平成15年12月24日起訴・同年特(わ)第7765号公訴事実第1]
   A1,A2,A3及びA7と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙4貸付関係一覧表4記載のとおり,平成13年12月13日から平成14年10月4日までの間,前後72回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号4記載の「B4」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C5銀行D4支店(現C3銀行D4支店)ほか4か所に開設された上記A7名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E1ほか3名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計3万7152円を
182万0848円超える合計185万8000円の利息を受領し
 5[平成15年12月24日起訴・同年特(わ)第7765号公訴事実第2]
   A1,A2,A3及びA8と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙5貸付関係一覧表5記載のとおり,平成14年4月1日から平成15年1月15日までの間,前後72回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号13記載の「B5」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都新宿区内の株式会社C1銀行D5支店ほか3か所に開設されたA8名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E3ほか7名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計5万3652円を239万0718円超える合計244万4370円の利息を受領し
 6[平成15年12月25日起訴・同年特(わ)第7801号公訴事実第1]
   A1,A2,A3及びA9と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙6貸付関係一覧表6記載のとおり,平成14年6月3日から平成15年1月23日までの間,前後45回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号14記載の「B6」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C1銀行D1支店ほか1か所に開設された上記A9名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E4ほか3名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万4680円を137万0320円超える合計138万5000円の利息を受領し
 7[平成15年12月25日起訴・同年特(わ)第7801号公訴事実第2,平成16年3月1日起訴・同年特(わ)第865号公訴事実第1]
   A1,A2,A3及びA10と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙7貸付関係一覧表7及び別紙8貸付関係一覧表8記載のとおり,平成13年11月28日から平成14年12月20日までの間,前後50回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号5記載の「B7」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C6銀行D1支店(現C1銀行D4支店)ほか3か所に開設された上記A10名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E1ほか5名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計3万1116円を155万0884円超える合計158万2000円の利息を受領し
 8[平成15年12月26日起訴・同年特(わ)第7850号公訴事実第1]
   A1,A2,A3及びA11と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙9貸付関係一覧表9記載のとおり,平成13年12月13日から平成14年7月31日までの間,前後51回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号6記載の「B8」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都新宿区内の株式会社C7銀行D3支店ほか2か所に開設された上記A11名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E5ほか3名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計2万5404円を116万4596円超える合計119万円の利息を受領し
 9[平成15年12月26日起訴・同年特(わ)第7850号公訴事実第2]
   A1,A2,A3及びA12と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙10貸付関係一覧表10記載のとおり,平成14年2月25日から同年11月19日までの間,前後41回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号10記載の「B9」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C6銀行D1支店(現C1銀行D4支店)ほか3か所に開設された上記A12名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E6ほか5名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万9380円を100万4620円超える合計102万4000円の利息を受領し
 10[平成16年2月23日起訴・同年特(わ)第725号公訴事実第1]
   A1,A2,A3及びA13と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙11貸付関係一覧表11記載のとおり,平成13年12月5日から平成14年10月30日までの間,前後37回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号9記載の「B10」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都新宿区内の株式会社C8銀行D6支店(現C1銀行D6支店)ほか2か所に開設された上記A13名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E1ほか2名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計2万3068円を107万0932円超える合計109万4000円の利息を受領し
 11[平成16年2月23日起訴・同年特(わ)第725号公訴事実第2]
   A1,A2,A3及びA14と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙12貸付関係一覧表12記載のとおり,平成13年10月23日から平成14年7月29日までの間,前後30回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号3記載の「B11」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C6銀行D1支店(現C1銀行D4支店)ほか2か所に開設された上記A14名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E1から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計2万0960円を80万0040円超える合計82万1000円の利息を受領し
 12[平成16年2月24日起訴・同年特(わ)第748号公訴事実第1]
   A1,A2,A3及びA15と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙13貸付関係一覧表13記載のとおり,平成13年11月16日から平成14年7月31日までの間,前後32回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号7記載の「B12」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都新宿区内の株式会社C9銀行D7支店に開設された上記A15名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E1から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万7668円を85万6332円超える合計87万4000円の利息を受領し
13[平成16年2月24日起訴・同年特(わ)第748号公訴事実第2]
   A1,A2,A3及びA16と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙14貸付関係一覧表14記載のとおり,平成13年10月15日から平成14年11月21日までの間,前後37回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号2記載の「B13」事務所において手数料名義で天引きするなどの方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C9銀行D2支店ほか2か所に開設された上記A16名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E7ほか4名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万4964円を87万9036円超える合計89万4000円の利息を受領し
14[平成16年2月26日起訴・同年特(わ)第801号,平成16年3月1日起訴・同年特(わ)第865号公訴事実第2]
   A1,A2,A3(ただし,別紙15貸付関係一覧表15記載の各事実に限る)及びA17と共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙15貸付関係一覧表15及び別紙16貸付関係一覧表16記載のとおり,平成14年2月18日から同年11月18日までの間,前後51回にわたり,別紙24−1貸金業店舗一覧表1番号12記載の「B14」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都豊島区内のC10銀行株式会社D2支店ほか1か所に開設された上記A17名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E8ほか6名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万7664円を111万2336円超える合計113万円の利息を受領し
15[平成16年4月28日起訴・同年特(わ)第2825号公訴事実第1]
   A18,A19,A20及びA21らと共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙17貸付関係一覧表17記載のとおり,平成14年12月24日から平成15年6月30日までの間,前後18回にわたり,別紙24−2貸金業店舗一覧表2番号1記載の「B15」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都千代田区内の株式会社C11銀行D8支店ほか1か所に開設されたA22等名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E9ほか1名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万5290円を50万8495円超える合計52万3785円の利息を受領し
16[平成16年4月28日起訴・同年特(わ)第2825号公訴事実第2]
   A18,A19,A23(ただし,別紙18貸付関係一覧表18番号1ないし18,21ないし27,31ないし33,35ないし37,39記載の各事実に限る)及びA24らと共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙18貸付関係一覧表18記載のとおり,平成15年4月16日から同年7月22日までの間,前後52回にわたり,別紙24−2貸金業店舗一覧表2番号2記載の「B16」事務所において手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都中央区内の株式会社C11銀行D9支店ほか3か所に開設されたA25等名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E9ほか5名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計3万6635円を136万6355円超える合計140万2990円の利息を受領し
17[平成16年6月1日起訴・同年特(わ)第3569号公訴事実第1]
   A18,A26及びA27らと共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙19貸付関係一覧表19記載のとおり,平成12年11月29日から平成14年8月13日までの間,前後47回にわたり,別紙24−2貸金業店舗一覧表2番号3記載の「B17」又は「B18」事務所で手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都新宿区内の株式会社C2銀行(現株式会社C3銀行)D7支店ほか6か所に開設された上記A27名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E10ほか2名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計5万0424円を168万7576円超える合計173万8000円の利息を受領し
18[平成16年6月1日起訴・同年特(わ)第3569号公訴事実第2]
   A18,A26,A27及びA28らと共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙20貸付関係一覧表20記載のとおり,平成14年1月28日から同年3月15日までの間,前後13回にわたり,別紙24−2貸金業店舗一覧表2番号4記載の「B19」事務所で手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都渋谷区内の株式会社C3銀行D10支店に開設された上記A28名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E11ほか2名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計3650円を23万4080円超える合計23万7730円の利息を受領し
 19[平成16年6月1日起訴・同年特(わ)第3569号公訴事実第3]
   A18,A26及びA29らと共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙21貸付関係一覧表21記載のとおり,平成13年12月21日から平成15年2月10日までの間,前後18回にわたり,別紙24−2貸金業店舗一覧表2番号5記載の「B20」又は「B21」事務所で手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都台東区内の株式会社C2銀行(現株式会社C3銀行)D11支店ほか1か所に開設された上記A29名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E12ほか2名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計6772円を31万9638円超える合計32万6410円の利息を受領し
 20[平成16年6月1日起訴・同年特(わ)第3569号公訴事実第4]
    A18,A26及びA30らと共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙22貸付関係一覧表22記載のとおり,平成14年1月18日から同年2月14日までの間,前後4回にわたり,別紙24−2貸金業店舗一覧表2番号6記載の「B22」事務所で手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都豊島区内の株式会社C3銀行D2支店に開設された上記A30名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E13から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1380円を11万9620円超える合計12万1000円の利息を受領し
21[平成16年6月1日起訴・同年特(わ)第3569号公訴事実第5]
   A18,A26及びA31らと共謀の上,業として金銭の貸付けを行うに当たり,別紙23貸付関係一覧表23記載のとおり,平成14年3月1日から同年10月4日までの間,前後38回にわたり,別紙24−2貸金業店舗一覧表2番号7記載の「B23」事務所で手数料名義で天引きする方法,あるいは東京都新宿区内の株式会社C3銀行D12支店ほか1か所に開設された上記A31名義の普通預金口座に振込送金を受ける方法により,E14ほか2名から,法定の1日当たり0.08パーセントの割合による利息合計1万3884円を64万4116円超える合計65万8000円の利息を受領し
第2[平成15年12月4日起訴・同年特(わ)第7259号公訴事実1]
  A1,A2及び別紙25犯罪収益等両替一覧表「両替実行者」欄記載の者らと共謀の上,同表記載のとおり,平成14年7月8日から同年11月14日までの間,前後139回にわたり,東京都豊島区内の株式会社C12銀行D13支店外為両替所ほか3か所において,無登録で貸金業を営むことにより得たものであり,かつ,業として金銭の貸付けを行うに当たり受領した法定の1日当たり0.08パーセントを超える割合による利息等でもある現金合計2億5820万8500円の犯罪収益等を,「A32」などの偽名を使用して米ドル紙幣合計208万7200ドルに両替し,もって,それぞれ犯罪収益等の処分につき事実を仮装し
第3[平成15年12月4日起訴・同年特(わ)第7259号公訴事実2]
  A33と共謀の上,平成15年1月31日,東京都千代田区内のF株式会社事務所において,情を知らないGの従業員に対し,無登録で貸金業を営むことにより得たものであり,かつ,業として金銭の貸付けを行うに当たり受領した法定の1日当たり0.08パーセントを超える割合による利息等でもある前記第2記載の現金合計2億5820万8500円を米ドル紙幣に両替した208万7200ドルのうち9万3600ドルと,それ以外の財産とが混和した合計200万0100ドル(100ドル紙幣2万0001枚。平成16年東地庁外領第2339号の241)を交付し,同人をして,同年2月3日,同区内の株式会社C13銀行本店所在のH名義の貸金庫(番号1016)に預け入れさせ,もって,犯罪収益等を隠匿し第4 A34,A35らと共謀の上,無登録で貸金業を営むことにより得たものであり,かつ,業として金銭の貸付けを行うに当たり受領した法定の1日当たり0.08パーセントを超える割合による利息等でもある金銭によって購入した別紙26割引金融債一覧表記載の割引金融債539枚(額面合計46億3500万円)の犯罪収益等を隠匿しようと企て,
 1[平成16年6月24日起訴・同年特(わ)第3571号公訴事実第1]
   平成15年2月13日,香港特別行政区のC14銀行D14支店に被告人名義の口座を開設するとともに,同支店に上記各割引金融債の償還を委託し,別紙27割引金融債償還状況一覧表記載のとおり,同月17日から同月25日までの間,前後3回にわたり,同支店の日本国内における割引金融債等の償還等に関する事務手続の常任代理人である東京都千代田区内のC15銀行D3支店から償還手続等の委託を受けた同都中央区内のI株式会社に上記各割引金融債を持ち込み,同年3月5日及び同月6日,上記I株式会社を介して,同都千代田区内の株式会社C1銀行D15支店,同都中央区内のC16中央金庫本店営業部及び同都千代田区内の株式会社C17銀行本店の各係員らをして上記C15銀行D3支店名義により上記各割引金融債を償還させた上,同支店担当者らをしてその償還金合計46億3384万円を上記被告人名義の口座に入金させ,もって,犯罪収益等を隠匿し
 2[平成16年6月24日起訴・同年特(わ)第3571号公訴事実第2]
   平成15年3月3日,スイス連邦チューリッヒ市所在のC14銀行に無記名口座を開設した上,別紙28送金等一覧表記載のとおり,前記別紙26割引金融債一覧表記載の割引金融債を隠匿したことにより得た前記C14銀行D14支店の被告人名義の口座の預金債権(46億3384万円相当)と,それ以外の財産とが混和した財産を運用させた結果取得した51億0670万8021円相当の債券等の財産(11億4224万4021円の預金及び39億6446万4000円に相当する証券)を,同年5月14日から同月23日までの間,前後13回にわたり,上記C14銀行D14支店の担当者をして上記被告人名義の口座から上記無記名口座に送金あるいは送付させるなどし,もって,犯罪収益等を隠匿したものである(なお,別紙1ないし23の各貸付関係一覧表の記載のうち,貸付状況欄及び利息受領状況欄のそれぞれの年月日欄にある「頃」又は「ころ」との記載を削る)。
(没収・追徴に関する補足説明)
 検察官は,被告人から,第4の2の罪に関し51億0670万8021円を追徴すること,第3の各罪に関し警視庁本部で保管中の100ドル紙幣2万0001枚のうち1万7000枚を没収をすることをそれぞれ求めたが,当裁判所は,これらの没収及び追徴をすることはできないと判断した。以下,その理由を説明する。
1 第4の2の犯罪行為によりC14銀行に対して生じた11億4224万4021円相当の預金債権及び同銀行に預け入れられた39億6446万4000円相当の証券(以下,両者を併せて「本件預金債権等」という)は,組織犯罪処罰法13条1項6号(以下,法令名を明記せずに条文番号のみを示したものは,組織犯罪処罰法のそれを示す)所定の10条1項の犯罪行為によって生じた財産であり,また,第3の犯罪行為により他人名義の貸金庫に隠匿された100ドル紙幣2万0001枚(以下「本件米ドル紙幣」という)は,13条1項5号所定の10条1項の犯罪行為に係る犯罪収益等であって,いずれも犯人である被告人に帰属するものと認められる。
2 本件預金債権等の犯罪被害財産性について
 (1) 本件預金債権等は,第4の1の罪に係る額面合計46億3500万円の各割引金融債(以下「本件各割引金融債」という)の償還金46億3384万円と,平成15年1月24日に被告人がC18銀行に預け入れた4億9974万2714円のうち3億9971万9713円が同年3月3日にC14銀行D14支店の被告人名義口座に振り込まれたものとが同口座内で混和し,これがさらに運用された後,C14銀行本店に送金されるなどして生じたものであると認められる。
   また,本件各割引金融債のうち,@額面合計16億3000万円分(別紙26割引金融債一覧表番号1ないし120,263ないし288,435ないし455,463ないし478,519ないし530)は,平成13年10月11日,被告人が,A1,A33及びA18らにマンションに保管していた現金を交付して購入させたものであること,A額面合計20億0500円分(同番号262,289ないし434,456ないし462,479ないし518,531ないし539)は,平成13年11月6日から平成14年6月17日の間に購入されたものであること,Bその余の額面合計10億円分(同番号121ないし261)は,平成15年2月5日から7日にかけて,被告人が共犯者らに現金を交付して購入させたものであることがそれぞれ認められる。
 (2) ここで,本件各割引金融債やその購入原資及びC18銀行に預け入れられた金員(以下,同購入原資及び同金員を併せて「本件購入原資等」という)の取得の経緯を検討する。
  ア まず,関係各証拠によると,平成15年以前の被告人の収入状況等に関して,以下の各事実が認められる。
   (ア) 被告人は,昭和63年ころから,闇金融と呼ばれる出資法の制限を超える割合の利息を受領する形態の貸金業店を経営するようになり,その後,それによる収益を開業資金として同様の形態の貸金業店を増やしていき,平成8年から平成10年ころにかけては,順次,A1,A33及びA18らにもこれらの貸金業店の収益から資金を提供して,被告人の下で同様の形態の貸金業を行わせるようになった。
   (イ) 平成11年ころからA1らがそれぞれ管理下の貸金業店を増やして貸金業店グループを形成し,被告人は,A1が統括管理する「甲グループ」のほか,A18の「乙グループ」及びA33の「丙グループ」など,およそ15ほどの貸金業店グループを傘下に収め,これらの貸金業店グループの総体は「丁グループ」と呼ばれていた。
   (ウ) 「丁グループ」の各貸金業店グループは,それぞれ10店から30店ほどの貸金業店で構成され,各貸金業店は,主に1万円から10万円の貸付けに対して1週間ないし10日で3割から10割ほどの利息を受領する方法で営業していたが,その利息等から毎月,1店舗あたり概ね100万円として計算した金額がそれぞれのグループの長を通じて被告人に上納されていた。
   (エ) 被告人への上納は,平成13年秋ころまでは被告人に現金を交付する方法で行われていたが,そのころ以降,平成14年半ばころまでは,それぞれのグループがその収益で割引金融債を購入して被告人に交付する方法で行われるようになり,さらに,平成14年半ばころ以降は,米ドル紙幣に両替して被告人に交付する方法で行われていた。
   (オ) 被告人は,平成9年ころから,宗教法人「J会」を実質的に支配していたほか,平成14年4月に食品販売業等を営む合計6社を傘下に収めるF株式会社を設立して同年6月にその代表取締役となった。「J会」からの被告人の収入は1か月あたり150万円から300万円ほどであり,その原資のほとんどは「丁グループ」の各貸金業店の店長らが給料から支払ったお布施であった。
また,「F」及びその傘下の会社の初年度の収支は合計4億円を超える赤字となったが,同年度の被告人の役員報酬は月額300万円であった。
  イ 前記ア(ア)ないし(エ)の各事実を総合すると,被告人が「丁グループ」の各貸金業店グループから上納金として取得した現金や割引金融債等の価額が1か月当たり数億円に上っていたことは,容易に推認することができ(なお,被告人自身公判で,多いときで月額3億円を超えることもあった旨供述している),これに,過去に被告人が直接経営していた貸金業店で顧客から受領した出資法の制限を超える割合による利息等を合わせると,被告人が取得した出資法の制限に反する利息等で形成された現金及び割引金融債等の財産は少なくみても数十億円に上る莫大なものであったと認められる。
    そして,被告人には,前記ア(オ)の「J会」及び「F」からの収入があったものの,これらは,上記の貸金業に係る被告人の収入と比較すると僅かな額にとどまるのであり,本件の全証拠によっても,被告人にその余の収入があったとは認められない。
  ウ 以上の諸事情からすると,前記(1)Aの各割引金融債の購入原資を除く本件購入原資等は,そのほとんどすべてが被告人経営に係る貸金業店で顧客から受領した出資法の制限を超える割合による利息等,又は「丁グループ」の各貸金業店グループからの上納金であったと推認することができる。
    また,被告人は,前記ア(エ)のように,「丁グループ」の各グループにその収益で割引金融債を購入させて上納させていた一方で,平成13年11月から平成14年6月までの間に被告人自らが割引金融債を購入していたという事情は全くうかがわれないことからすると,前記(1)Aの各割引金融債はいずれも「丁グループ」の各グループから上納されたもので,その購入原資は「丁グループ」の各貸金業店がその営業に関し顧客から受領した出資法の制限を超える割合による利息等であったと認められる。
  エ そして,前記(1)Aの各割引金融債の購入原資を除く本件購入原資等には,具体的な割合は不明であるも「J会」や「F」からの収入がそれぞれ含まれている可能性があるが(ただし,前記(1)@の各割引金融債の購入原資には「F」からの収入が含まれている可能性はない),他方で,被告人が,直接貸金業店を経営し,あるいは「丁グループ」の各貸金業店グループからの上納を受けることで取得した出資法の制限を超える割合による利息等の金銭の額が莫大なものであること等に鑑みると,上記購入原資等はそのすべてがこのような出資法の制限を超える割合による利息等の金銭である可能性も十分に存するのであり,「J会」や「F」からの収入が含まれていたとしてもその割合はごく僅かなものであると考えられる。
そして,前記ア(オ)の事実からすると,少なくとも「J会」からの収入については,そのほとんどが「丁グループ」の各貸金業店で顧客から受領した出資法の制限を超える割合による利息等の金銭であるということができ,以上のほか,上記購入原資等がすべて顧客から受領した出資法の制限を超える割合の利息等の金銭であれば,後述するとおり,13条2項の犯罪被害財産としてその没収及び価額の追徴が禁止されると解されることも併せると,ここでは,被告人に有利に,上記購入原資等はすべてかかる性質の金銭であると認めるのが相当である。
 (3) 以上によると,本件各割引金融債及びC18銀行に預けられた金員は,いずれも被告人の直接経営に係る貸金業店又は「丁グループ」の各貸金業店が出資法上の業として行う高金利の罪によってその被害者から得た財産又は当該財産の処分若しくは保有に基づいて得た財産であると認められ,これらを償還するなどし,C14銀行D14支店の口座に預け入れて運用した結果得られた財産も,同様に上記被害者から得た財産の処分若しくは保有に基づいて得た財産であると認められる。
   したがって,これをC14銀行本店の口座に送金するなどして隠匿したことにより生じた本件預金債権等は,13条2項所定の犯罪被害財産であると認められる。
 (4) もっとも,被告人の直接経営に係る貸金業店や「丁グループ」の各貸金業店が被害者から受領した出資法の制限を超える割合による利息等の金銭には,貸付元金の返済として受領した金銭が含まれている可能性があり,また,利息として受領した金銭についても,出資法が定める割合の範囲内の部分とこれを超える部分とに分別することができる。
そうすると,本件預金債権等には,貸付元金の返済分及び制限内の利息分にそれぞれ相当するものが含まれ,それらは犯罪被害財産に当たらないのではないかとの疑義が生じ得る。
   しかしながら,関係各証拠によると,「甲グループ」や「乙グループ」の各貸金業店は,事務所開設費用,貸付元金等を併せて数百万円から1000万円程度の資金で営業を開始し,主に1万円から10万円の貸付けに対して1週間から10日で3割から10割ほどの利息を受領した上,その収益の一部を融資準備金として各店舗に留保して貸付元金に充てる方法で営業規模を拡大してきたものであり,「丁グループ」のその他の各貸金業店グループにおいても同様の手法がとられていたと推認することができる。そして,「丁グループ」は,被告人が出資法上の業として行う高金利の罪による収益又はその処分若しくは保有に基づき得た資金により同様の形態の貸金業店を次々と開業させて作り上げたものであり,各貸金業店の開業資金自体も,かかる
資金に起源をなすものということができる。
   また,被告人が貸金業を始めた当初の貸付元金がどのような性質の資金であったかは明らかではないが,その額は,その後に顧客から受領した出資法の制限を超える割合による利息の額と比較すると微々たるものであったと考えられるのであり,前記(2)エと同様の理由から,かかる金員は本件預金債権等に含まれていないと認めるのが相当である。
   そうすると,本件における貸付元金自体も出資法上の業として行う高金利の罪によって被害者から得た財産又は当該財産の処分若しくは保有に基づく財産であるというべきであり,その返済として顧客から受領した金銭も犯罪被害財産の処分に基づき得た財産ということができる。また,制限内の利息分についても,業として行う高金利の罪は,法定の割合を超える割合による利息受領を処罰するもので,そのような利息受領については,同割合の範囲内の部分をも含めて犯罪が成立すると解される上,上記認定の事実関係の下では,制限内の利息分は業として行う高金利の罪に係る犯罪被害財産の保有に基づき得た財産と目することもできるから,結局,同利息分は,業として行う高金利の罪によって被害者から得た財産又は当該財産の保有に基づき得た財産であるということができる。
 (5) したがって,本件預金債権等は全体が犯罪被害財産であると認められる。
3 本件米ドル紙幣の犯罪被害財産性について
 (1) 前記2(2)ア(ウ)及び(エ)のとおり,「丁グループ」の各貸金業店グループでは平成14年半ばころ以降,犯罪収益等である出資法の制限を超える割合による利息等の金銭を米ドル紙幣に両替して被告人に上納していたと認められ,また,本件米ドル紙幣のうち9万3600ドル(100ドル紙幣936枚)は,第2の犯行に係り,「甲グループ」各店店長らが同グループの犯罪収益等を偽名で両替したものであることが明らかである。
   そして,前述した被告人の収入の状況に加え,本件全証拠によっても被告人が各貸金業店グループからの上納以外の方法で米ドル紙幣を取得したことをうかがわせる事情は一切存しないことを併せみると,本件米ドル紙幣は,いずれも各貸金業店グループが犯罪収益等である出資法の制限を超える割合による利息等の金銭を両替し,被告人に交付したものであると認めることができる。
 (2) そうすると,本件米ドル紙幣は,出資法上の業として行う高金利の罪によって被害者から得た財産の処分に基づき得た財産ということができるから,13条2項所定の犯罪被害財産であると認められる(なお,本件米ドル紙幣にも,貸付元金の返済として顧客から受領した金銭や出資法の制限内の利息分にそれぞれ相当するものが含まれている可能性があるが,前記2(4)と同様の理由から,それらも犯罪被害財産であるということができる)。
4 以上のとおり,本件預金債権等及び本件米ドル紙幣はいずれも犯罪被害財産であると認められる。
5 検察官の主張について
 (1) これに対し,検察官は,本件預金債権等及び本件米ドル紙幣が出資法上の業として行う高金利の罪によって被害者から得られた財産であること自体は争わないものの,犯罪被害財産とは,没収対象財産から被害回復が図られることが客観的,具体的に見込まれると刑事手続において認められるものをいい,これに当たるためには,刑事手続上,犯罪行為及び被害者が特定されていること,すなわち被害者の財産と没収対象財産との結び付きが明らかであることが必要であるから,本件預金債権等及び本件米ドル紙幣は犯罪被害財産に当たらない旨主張するので,更に検討する。
 (2) 13条2項,16条1項ただし書は犯罪被害財産の没収及びその価額の追徴を禁止するが,その趣旨は,犯罪収益等が被害者から犯人に財産や価値が移転することによって生じた場合,被害者は,その保有する財産を現実に喪失するとともに,被害回復という意味で当該犯罪収益等について密接な利害関係を有するため,被害者保護の観点から没収・追徴を許さないとしたことにあると解される。
すなわち,上記のような場合の犯罪収益等である犯人保有の財産については,被害者が上記意味で密接な利益を有するとはいえ,必ずしも被害者の所有物に限られず,犯人帰属の財産と化しているものを含むから,その財産を直接に返還する方法によって被害者保護を図るのではなく(なお,押収した被害者所有物については被害者還付の制度がある),被害回復は被害者による犯人に対する私法上の損害賠償請求権の行使等の民事手続に委ねる一方で,当該財産がその際の引き当てになる可能性に配慮して,その没収・追徴を禁止し,もって被害者を間接的に保護することとしたものである。
 (3) そして,13条2項は,犯罪被害財産を「犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産」と定義し,文理上特段の限定をすることなく13条1項各号所定の財産が犯罪被害財産であるときの没収を禁止しているところ,このような規定文言からは犯罪被害財産につき検察官の主張のごとく限定する趣旨を看取することはできない。
   むしろ,10条1項の犯罪行為に係る犯罪収益等(13条1項5号)及び10条1項の犯罪行為により生じた財産(13条1項6号)についても,これが犯罪被害財産であるときには没収・追徴が禁止されることは明らかであるが,他方で,10条1項の犯罪行為が成立するには,隠匿等に係る財産が犯罪収益等であることを基礎付ける犯罪行為(以下「前提犯罪」という)が具体的に特定されること,すなわち,前提犯罪が訴追され又は訴因として具体的に明示されることは必要でなく,また,前提犯罪が13条2項に掲げる犯罪である場合に,喪失した財産と犯罪収益等との結び付きのある被害者が具体的に特定されることも必要でない。
そうすると,13条1項5号及び6号の財産に,被害者から得た財産であるが具体的な前提犯罪やその被害者が
特定されないものが存することは,当然に予定されていると考えられる。
 (4) さらに,13条2項に掲げる犯罪行為は,いずれも被害者から犯人に対する直接的な財産や価値の移転を伴うもので,これらの犯罪行為によって被害者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産であれば,特段の事情がない限り,これを引き当てとして被害者から犯人に対する損害賠償請求等がなされる可能性があり,前述の13条2項の被害者保護の趣旨が妥当するというべきで,このことは前提犯罪やその被害者が刑事手続上特定されているか否かによって左右されるものではないことからすると,組織犯罪処罰法は,これら前提犯罪や被害者が刑事手続上特定されていない財産又はその価額についても,被害者保護の観点から没収・追徴を禁止していると考えられる。
   また,前提犯罪やその被害者が刑事手続上特定されるか否かは,検察官の訴追裁量や立証意欲,捜査の進ちょく状況等によっても左右されるところ,かかる事情によって被害者の保護が左右されるのは不合理であるといわなければならず,この点も13条2項の解釈に当たって看過することができない。
 (5) なお,検察官は,犯罪被害財産の範囲を限定的に解釈すべき理由として,前提犯罪及び被害者が特定されない場合には,没収を禁止することが被害回復に資する見込みに乏しく,犯人に犯罪収益等を利得させる結果となって,立法趣旨に反することになりかねないと論難する。
しかし,前述したとおり,組織犯罪処罰法は,犯罪被害財産である犯罪収益等を犯人のもとに残すことで間接的に被害者の保護を図ろうとしているのであるから,結果として犯人が犯罪収益等を利得したままになり得ることも,同法の予定するところというべきである。
そして,このような結果は,前提犯罪や被害者の刑事手続上の特定の有無にかかわらず起こり得るものであり,また,その有無は,前述のとおり訴追裁量や捜査の進ちょく状況等によっても左右され,直ちに被害回復の見込みの大小と結び付くものではないことからすると,検察官の上記論難は,犯罪被害財産の範囲を限定的に解釈すべき理由とはならないというべきである。
(6) 以上からすると,検察官の前記主張を採用することはできない。
6 したがって,本件預金債権等及び本件米ドル紙幣はいずれも犯罪被害財産に当たるから,これらを没収することも,その価額を追徴することもできない。
(量刑の事情)
1 本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,@業として金銭の貸付けを行うに当たり,延べ83名(実人数で51名)から,合計848回にわたり,法定の1日当たり0.08パーセントの割合を超える割合による利息合計約2345万円(超過分約2297万円)を受領した各出資法違反,A無登録で貸金業を営むことにより得たもので,かつ,出資法上の業として行う高金利の罪によって得た利息等でもある約2億5820万円を,合計139回にわたり偽名を用いて米ドル紙幣に両替し,犯罪収益等の処分について事実を仮装した各組織犯罪処罰法違反,B上記米ドル紙幣の一部9万3600ドルとそれ以外の財産とが混和した米ドル紙幣200万0100ドルを,情を知らない第三者をして他人名義の貸金庫に預け入れさせ,犯罪収益等を隠匿した組織犯罪処罰法違反,CC14銀行D14支店に被告人名義の口座を開設した上,無登録で貸金業を営むことにより得たもので,かつ,出資法上の業として行う高金利の罪によって得た利息等でもある金銭によって購入した539枚の割引金融債(額面合計46億3500万円)を,同支店の日本国内の代理人である銀行から委託を受けた会社に持ち込み,これらを同銀行名義で償還した上,償還金46億3384万円を上記口座に入金し,犯罪収益等を隠匿した組織犯罪処罰法違反,D上記償還金とそれ以外の財産とが混和した財産を運用して得られた約51億0670万円相当の債券等の財産を,スイス連邦所在のC14銀行本店に開設した無記名口座に送金するなどし,犯罪収益等を隠匿した組織犯罪処罰法違反の各事案である。
2 各犯行に至る経緯
 (1) 先に認定したように,被告人は,昭和63年ころから闇金融と呼ばれる形態の違法な高金利での貸金業店を経営し,平成8年ないし平成10年ころからは,自己の下で,順次,A1,A33及びA18らに同様の形態の貸金業を行わせていたが,平成11年ころから,A1らがそれぞれ管理下の貸金業店を増やし,「甲グループ」,「乙グループ」など,それぞれを長とする貸金業店グループを形成し,これらの貸金業店グループを傘下に収める被告人統括の巨大闇金融組織「丁グループ」が形成された。
 (2) 「丁グループ」は15ほどの貸金業店グループから成り,各グループはそれぞれ10ないし30店ほどの貸金業店で構成されていて,これらの貸金業店では,グループごとに若干の違いはあるものの,概ね,名簿屋から購入した多重債務者のリスト等に基づいてダイレクトメールを送付するなどの方法で顧客を勧誘し,主に1万円から10万円に対し1週間から10日で3割ないし10割ほどの利息の支払を約束させて手数料を天引きした貸付けを行い,返済期日に元本を返済できない場合には利息のみを支払わせて契約を書き替えることを繰り返して元本の返済に至るまで更に利息を受領し,また,利息の支払が遅れた場合には高額の延滞利息を支払わせるなどの方法で多額の収益を上げていたものであり,「甲グループ」だけでも平成11年10月から平成15年3月までの間に少なくとも約82億円もの利息等を顧客から受領していた。
 (3) 被告人は,A1ら数名のグループ長を「執行部」として,これらの者に「丁グループ」全体の経営方針等について協議させるとともに,自己の意向を伝えていた。
また,先に認定したように,「執行部」のメンバーを通じて,各貸金業店グループの収益の中から,1か月1店舗あたり概ね100万円として計算した金額を上納させていたが,上納の方法は,平成13年秋ころまでは現金を,それ以降平成14年半ばころまでは割引金融債を購入させてこれを,さらに,それ以降は米ドル紙幣に両替させてこれをそれぞれ交付させるというものであった。
3 第1の各出資法違反の犯行について
 (1) 第1の各犯行は,前記2のとおり,被告人が長期間にわたって傘下の多数の貸金業店に出資法の制限を超える割合による利息の受領を営業として繰り返させる中で,その一環として敢行したもので,利息受領は合計で848回もの著しい多数回に上っており,その常習性は極めて高い。
また,犯行の動機は,これにより多額の収益を獲得するという身勝手で利欲的なものであり,酌量の余地は全くない。
   犯行の態様は,前記2(2)で述べたような極めて反社会性の強いもので,貸付利率は法定の数十倍,最高率で1150倍にも上るのであり,その被害者数は実人数でみても51名と多い。さらに,被害者らに対する実際の交付金額は合計で約861万円であるのに対し,受領した利息はその約2.7倍に当たる約2345万円と高額で,うち約2297万円は出資法の制限を超えるものであるから,被害の規模は非常に大きい。このような犯行態様及び被害規模に鑑みると,本件各出資法違反の犯行は,この種事犯の中でも相当に犯情悪質なものといわなければならない。
 (2) 「丁グループ」は,被告人を頂点とし,その下にグループ全体の営業方針等を協議する「執行部」が設置され,そのメンバーを始めとする各貸金業店グループの長がそれぞれのグループを統括管理し,さらにグループ長の下に数名のブロック長をおいてそれぞれに複数の貸金業店を管理させるという段階的な組織体制を採った上,平成12年ころまでは「丁グループ」全体の,それ以降は各貸金業店グループごとに「センター」を設置して,顧客の個人情報や返済実績,警察等への被害相談の有無等の情報を集約,管理し,各貸金業店でこれらの情報を利用して貸付けの審査を行うなど,闇金融による利益獲得を目的とした犯罪企業集団ともいうべきものであり,その組織性は顕著で,背後には後ろ盾となる暴力団員の関与も認められる。
 (3) そして,被告人の役割ないし地位についてみると,「丁グループ」の各貸金業店グループは,被告人の「人を育てて,店を増やせ」などといった指示の下に次々と貸金業店を開業して莫大な収益を上げるに至ったものである上,被告人は,この犯罪企業集団の頂点に君臨し,「執行部」メンバーの選定やグループ長となることの許可等の「丁グループ」内の人事権を掌握してグループ全体を統括管理していたものであり,各貸金業店の店長らが被告人の支配する宗教法人に義務的に祈祷に通わされ,お布施をさせられていたことなどからしても,被告人の「丁グループ」内での影響力は組織の末端にまで行き渡る強大かつ支配的なものであったと認めることができる。
   また,被告人が各貸金業店グループから受領していた上納金は,前記2(3)のとおり相当に高額で,被告人自身公判で月額3億円を超えることもあったと認めており,本件分についても相当額の金銭等が被告人に上納されたものと認められる。
確かに,営業方法等についてはある程度各貸金業店グループの裁量に委ねられていて,各被害者への貸付けや利息受領行為等についてまで被告人が具体的に認識していたとは認められないが,これは「丁グループ」が前述のとおり段階的な組織構造をとっていたからにほかならず,各貸金業店グループの収益の多くはそれぞれのグループ長が取得していたことを考慮しても,被告人が本件各出資法違反の犯行の主犯であるとの評価は動かないというべきである。
4 第2の組織犯罪処罰法違反の犯行について
 (1) 第2の各犯行で処分の事実を仮装した犯罪収益等は,「丁グループ」を構成する貸金業店グループの一つである「甲グループ」が出資法の制限をはるかに超える割合の利息を受領することによって形成した反社会性の高いもので,その金額は約2億5820万円と極めて高額である。また,米ドル紙幣への両替は,平成14年半ばころから1万円以上の割引金融債購入に際し身分証明が必要とされ,その購入が困難となったことから,それに代わる手段として考え出されたものである上,両替についても身分証明が不要な金額の範囲で行うことを企図し,「甲グループ」の各店店長ら多数の者に手分けをさせて,合計139回にもわたり偽名での両替を繰り返させたものであり,犯行態様は,巧妙で組織性の高い悪質なものというべきである。
 (2) また,これらの各犯行は,被告人が各貸金業店グループの収益を米ドル紙幣に両替させて上納させていたところ,その一環として行われたものである上,偽名での両替によって米ドル紙幣を取得して犯罪収益等を資金洗浄することを目的として敢行されたものと認められるから,動機に酌むべきものはない。
 (3) そして,被告人は,これらの両替に係る米ドル紙幣のうち,少なくとも9万3600ドル分を現に取得しており,また,前述した「丁グループ」内での被告人の地位や「甲グループ」以外の貸金業店グループでも第2の各犯行と同様の両替行為が行われていたと認められることなどからすると,第2の各犯行が被告人の指示によるものであることは明らかである。そうすると,実行行為者に対する直接的な指示はしていないことや両替で得た米ドル紙幣の中にはA1が取得したものも多数あると推測されることなどの事情を考慮しても,被告人の役割は主導的なものであったということができる。
5 第3の組織犯罪処罰法違反の犯行について
  第3の犯行は,第2の各犯行で得たものの一部を含む米ドル紙幣の犯罪収益等を,更に隠匿しようと企て,Gの預託金制度(日本国内でGに金員を預託し,これを同社の親会社がラスベガスで経営するカジノで賭博をする際の担保とする制度)を利用して,同社従業員をして,米ドル紙幣の犯罪収益等を他人名義の貸金庫に預け入れさせたものであるところ,同制度が犯罪収益等が他人に帰属するかのような外観を作出するものであることに加え,関係書類がアメリカのG本社にすべて送られて日本国内には残らないことなども考慮すると,我が国の捜査機関による犯罪収益等の発見,追及を甚だ困難にする態様であるということができ,巧妙で悪質な犯行といわなければならない。また,隠匿した米ドル紙幣の犯罪収益等は2万0001枚,価額合計200万0100ドルと相当に高額であり,その一部である936枚は第2の各犯行に係るもので,前述のとおり強い反社会性を帯びたものである。
  また,犯行の動機も,基本的には被告人において上記のとおり犯罪収益等を隠匿するためであったと認められ,実際にカジノで遊興する用途に供する意図が併存していたことは否めないものの,酌量の余地はない。
6 第4の組織犯罪処罰法違反の犯行について
 (1) 第4の各犯行は,高度の守秘義務が課されている海外のいわゆるプライベートバンクに犯罪収益等を隠匿することを企て,その関係者等と共謀の上,銀行間の国際的な業務提携関係や決済制度を利用し,あるいは,海外の銀行間での送金を行うことによって,46億3384万円(第4の1の犯行)又は約51億0670万円(第4の2の犯行)もの犯罪収益等を隠匿したマネーローンダリングの事犯であり,第4の2の犯行は第4の1の犯行で隠匿した犯罪収益等を更に隠匿したという性質を有するとはいえ,隠匿した各犯罪収益等の価額は極めて巨額に上る。
これに加え,各犯罪収益等が第1の犯行と同様の業として行う高金利の罪と,貸金業登録を行わず,あるいは実際の経営者を貸金業者として登録しないで貸金業を営むといった形態の無登録営
業の罪(貸金業の規制等に関する法律違反)とによって形成されたものであり,かかる巨額の財産形成の背後には,多数の被害者の甚大な被害が存することが容易に推測されるのであるから,その財産自体強い反社会性を帯びたものであるといわなければならない。
   また,各犯行の態様をみても,第4の1の犯行で利用された隠匿の手法は,C14銀行D14支店に被告人名義の口座を開設し,同支店から業務提携銀行への指示に基づいて本邦内で同銀行の委託を受けた会社へ割引金融債を持ち込んで預託し,同銀行の名義でこれを償還させ,銀行間決裁で償還金を上記支店に送金させて上記口座に入金するなどといった非常に複雑なものである上,これらは実質的な依頼者を表示しない銀行間の電子メールでの指示に基づいて銀行等の名義で行われ,割引金融債の預託の際にも,預託行為者が上記支店が指定した者であることを示せば受け入れられるという非常に秘密性の高いものである。
そして,本件では被告人が共犯者らに依頼して預託行為を行わせているため,かかる一連の過程において,被告人の名を一度たりとも表に出すことなく海外への送金に成功しているのであって,第4の1の犯行は共犯者が有する専門知識を被告人において悪用した極めて大規模かつ巧妙なものである。さらに,第4の2の犯行で利用されたC14銀行本店の口座は,番号だけで口座が管理されるいわゆるナンバーアカウントである上,同銀行には法律上及び契約上高度の守秘義務が課されていたのであるから,第4の1の犯行の結果以上に我が国の捜査機関等がこれらを発見し,追及することを更に著しく困難にすることは明らかである。
   こうしてみると,第4の1及び2の各犯行は,日本,香港,スイスという3つの国又は地域を舞台に敢行された,過去に類を見ない極めて大規模かつ悪質な資金洗浄事犯であり,犯情はこの種事犯の中でも突出して悪い。
 (2) 被告人は,各犯行の動機について,「日本円の新紙幣への切り替えに際して銀行に預けていないと面倒が起こるとの噂が流れたが,日本の銀行では受け付けてもらえないと考えて海外の銀行に預けようと考えた」などと供述するのであるが,既に述べた各犯行の態様や,各犯行に先立って共犯者にC14銀行の守秘義務や海外送金の際に名前が出ないことを確認していること,共犯者に相当高額の手数料を支払っていることに加え,平成14年11月ころにはA1方に警察の捜索が入り,それ以降被告人にも捜査が及ぶことが危惧される状況にあったと認められることを併せみると,警察の捜査が及んで本件各割引金融債等の財産を押収,凍結されることを恐れて各犯行を敢行したことは明らかであり,その犯罪収益等の確保に固執する身勝手な動機に酌量の余地は全くない。
7 以上の各犯行の犯情の悪さや被告人の地位等の諸事情に加え,被告人には13犯の前科があり,傷害や恐喝,あるいは覚せい剤の使用等の罪で7回にわたり懲役刑の実刑判決を受けて服役していること,また,平成4年8月及び平成6年5月には出資法違反の罪(業として行う高金利の罪)でそれぞれ罰金刑に処された前科を有するにもかかわらず,その後も規模を拡大して違法な高金利での貸金業を続けて本件に至っていることなどの諸事情も併せて考慮すると,被告人の刑事責任は誠に重い。
8 そうすると,被告人が公判の途中から各犯行をすべて認めていること,各出資法違反の犯行のうち,「甲グループ」に関する第1の1ないし14の各犯行及び「乙グループ」に関する第1の15及び16の各犯行の被害者に対しては,一部を除いて共犯者らが被害弁償を行っていること,第4の2の犯行によって生じた本件預金債権等は既にスイス連邦当局によって没収されていることなどの諸事情を考慮しても,なお,被告人を主文の懲役刑に処するのが相当であり,また,各出資法違反の犯行の被害額や仮装,隠匿に係る犯罪収益等の価額が莫大なものであることに鑑みて,主文の罰金刑を併科するのもやむを得ない。
(求刑−懲役7年,罰金3000万円,警視庁本部で保管中の100ドル紙幣2万0001枚中1万7000枚の没収,51億0670万8021円の追徴)

「過払い金ドットコム」過払い金、過払いの請求に強い弁護士を!

過払い金(かばらいきん)とは文字通り払いすぎた金銭をいうが、特に、利息制限法の定める利率を超える高利の借入れをした借主が、本来、借入金の返済は終わったのに返済を続けたため払いすぎた金銭のこと。
消費者金融業者との間で長期間にわたってグレーゾーン金利での借入れと返済を続けている場合、過払いになっていることが多いのが現状。
消費者金融やクレジットカード会社は、弁護士や司法書士などの専門家の介入しない件で、本人に対し、訴訟外で過払い金を返還することはまずあり得ない。
過払い金、過払いの請求を手堅くする弁護士を「過払い金ドットコム」で探そう!。(http://kabarai-soudan.jp/)
本人訴訟の場合、貸金業者側の反撃に遭い、後記の民法704条に基づく利息を付さない和解に追い込まれるケースが多いといわれ、また、後掲のように、取引履歴の不開示があったり、充当関係で複雑な事案であったりすると、本人訴訟で法律上正しい金額の返還を受けることは極めて困難なのが現実。


自己破産は究極の借金整理法

自己破産ドットコムには、自己破産に関連した豆知識が豊富に掲載されています。
下記は、「自己破産は究極の借金整理法」です。
http://hasan-soudan.jp/contents_1.php
参考にどうぞ。

質問を検索
離婚 示談
交通事故 慰謝料
相続 母
サービス残業
福山市 葬儀
ヘアサロン
新宿 ネイルサロン
ネイル
千葉 ネイルサロン
表参道 ネイルサロン 人気
錦糸町 ネイルサロン
表参道 ネイルサロン
ネイル 求人
ネイル 検索
妊婦 健康
町田 ネイルサロン
中目黒 ネイルサロン
自由が丘 ネイルサロン